宇宙人はローズも襲ったので、捕らわれていたチキン・ジョージ、ルーシー、バーバラは隙を見て逃げる事が出来た。実は宇宙人も絶滅寸前で地球人の遺伝子を貰い、自分の遺伝子を変化させ生き延びようとしていた。だが計画は失敗したので彼らは宇宙へ去っていった。ヨッコは地下にいて難を逃れたが、東京は壊滅状態。地震、津波がおき火山が爆発を始めていた。たまたまヨッコが電話ボックスに逃げ込んだら、ジョージのチラノザウルス・ロケットの所に流れ着いた。東京からネバダまで流されていたのだ。そして、そこにはバーバラがいて、なんとジョージの死体もあった。ヨッコはジョージの死体から目玉型のロケットの方向指示器をみつけ、アメリカに渡そうと考える。するとネバダの砂はワシントンに向かって移動を始めた。子供を乗せたロケットを各国は発射したが、アメリカのロケットは暴徒に乗っ取られる。やむなくアメリカとエリザベス(副大統領の孫)はチラノ号で飛び立った。ヨッコはアメリカ(きよら)が自分の事を思い出してくれなかったが最後に会えて本望だった。チラノ号が飛び立った後、見送りの首相たちにくらげの化物が襲った。大統領は妻を帰し自らチキンジョージのロケットセンターに残り、ロケットの行く末を見守るつもりだ。そう彼はもう死を怖がってはいなかった。大統領が部屋に入ると機械が作動。ジョージの部屋が大統領をご主人様と認めたのだ。その頃チラノ号のアメリカ達は先に飛び立ったロケットが漂流しているのを見つけ救助に向かう。しかし初めに入ってきたのは魔性の少女のばらをリーダーとするならず者達だった。チラノ号の中での戦いの火蓋が切られた。

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のばらはローズの分身だった。彼女はモノを手なづけチラノ号を手中に治め、殺人かくれんぼというゲームを始めた。アメリカ達は生命の危機に陥る。そしてチキン・ジョージの亡霊までも出現して子供達を殺し始める。地球でもモノが意思を持ち反乱をおこしていた。また人間は死ぬと、獰猛な恐竜に変身してしまうようになってしまった。人間の祖先は猿ではなくて恐竜なのか?大統領はアメリカの危機を知りのばら達の調査を進める。
アメリカは窮地の中、超能力を身につけていた。船内の天候までも操りみんなのピンチを救う。チキンジョージの亡霊は夜に暴れていたが岬首相の子供:太郎の機転で追い払う事ができた。だがドイツ人のドッペルに亡霊は乗り移ってしまった。今度はドッペルがアメリカの敵になるのだが、未だみんな気づいていなかった。チキンの身体はチラノ号の船外にへばりついておりドッペルはそれを船内に回収せよと言い出した。
ドッペルは身体を回収したら全員宇宙に捨てるつもりだった。寸での所でアメリカの肉体からきよらの魂が飛び出して救われる。チキン・ジョージの亡骸は船内に回収されたが、同時に亡霊は消えた。ジョージは一緒に船に乗りたかったのだ。(この展開は緊張させたのに、ちょっとおそまつですな。)地球では人間が滅び、ムシ族、ゴキブリの天下だ。ゴキブリは言葉を話していて、人間が自分から絶滅した事を知る。ただゴキブリの子供:ゴキンチは一人で、人間は優しい動物だと信じ人間の帰りを待っていた。(このエピソードは本編と関係ありませんが、清涼剤的な物です。)一方、船内では平和を取り戻したが、違う問題が発生していた。それは、14歳になると子供はみんな恐竜に変身してしまう事だった。エリザベスは冷凍睡眠すれば変身を免れる事を見抜く。1人、1人とみんな冷凍睡眠に入っていった。最期にアメリカだけが残っていた。アメリカは一人で飛び続けた。ある日、チラノ号に異常をきたし、焦っていると、きよらの声が聞こえた。船を捨てて外へ飛び出せと。死ぬ覚悟で飛び出すと、なんと彼は芋虫の中から出てきた。その風景は昔の地球と同じだ。自分達の宇宙、銀河系は芋虫の中にあったのだとアメリカは悟る。そしてこの世界の住人はチキン・ジョージと同じチキン人間達だった。他の仲間も芋虫から飛び出し、チキン人間のチキン・ローリーと出会う。アメリカはいろいろ考えたが、また芋虫の中の自分の地球に戻る事を決意する。自分の地球もこのチキンの世界のように平和で緑溢れる星にする為に。アメリカ達が芋虫の中に戻る姿を見ている者がローリーと兄の他にもあった。チキン・ジョージとチキン・ルーシーが微笑んでいたのだ。

人間が地球上で一番偉いと思うのは大きな間違いですね。所詮、井の中の蛙、芋虫の中の小さな星の出来事だったのです。銀河より大きい平和なチキンの国。環境・自然を大事にして(それを守れなければ自らを死滅させる。)大所高所から物事にあたれという壮大なメッセージが込められた作品でした。

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