デンバーの知り合いの紹介で展望ホテル(オーバールックホテル)の冬の管理人の面接に行くジャック・トランス。彼はこの前まで教師だったが作家で成功したい為に教師を辞めた。このホテルは10月31日から翌年の5月14日まで豪雪に閉ざされる為、管理人のみ残し閉鎖している。無事面接試験を合格し雇われる事になった。トランスの家族は妻のウェンディと息子のダニーの3人。ダニーは自閉症気味で友達もいなかった。ただ彼は超能力(シャイニング)の持ち主で、それは、彼の中のもう一つの人格トニーが彼に未来の予知や過去の出来事を見せるというものだった。

shining vhs

シャイニング スタンリーキューブリック amazon
THE SHINING 1980 trailer
トニーは「冬の間ホテルに行く事をやめろ」とダニーに忠告したが理由は言わなかった。3人は10月30日にホテルに到着、長い冬を家族だけで過ごす事になった。実は1970年の管理人だったグレディという男は冬の間に発狂して237号室で自分の妻と子供を斧でたたき殺し切り刻み、自分も猟銃自殺していた。この話は面接の時にジャックも聞かされていたが仕事が欲しかったので笑い飛ばしていた。その日、初めてダニーと会った料理長のハロランはダニーのシャイニングに気づき、彼に俺も出来るよと話していた。そして彼は絶対237号室に絶対に入るなと言い残し去って行った。1ヶ月がたち、雪がだんだん厳しくなってきた頃、ダニーは237号室へ好奇心で入り女性に首を絞められる。その姿を見てジャックがやったと勘違いするウェンディ。ジャックは妻の勘違いに頭にきてゴールド・ボール・ルームのバーに行く。以前酔っ払ってダニーの肩を脱臼させたジャックは、それ以来禁酒していたのだが、むしゃくしゃして「魂を売ってもいいから一杯のビールが飲みたい」と言う。するとバーテンのロイドが目の前に突然現れバーボンのジャック・ダニエルを飲ませてくれた。(洒落か?)実はロイドはホテルに住む幽霊で彼に憑り付き始めたのだった。その後ウェンディはダニーから女の仕業と聞き、ジャックが237号室に様子を見に行く。すると裸の女が風呂から全裸で上がってきた。美人なんで思わず見とれて、なすがままにキスをするジャック。すると女は皮膚がボロボロにただれた老婆に変身し大声で笑いながら彼に迫ってきた。ビビって逃げ帰るジャックだが妻には本当の事を言わず誰もいないと言った。この様子をハロランもダニーもシャイニングで見ており、ジャックの異変に気づく。この後、ジャックは次第に自分を狂気の世界へ落としていくのだった。・・・

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スティーブンキングの原作をキューブリックがアレンジして作り上げたホラー映画。この出来に不満なキングは1997年にTVシリーズで自分の「シャイニング」を撮り直します。オイラはこのキューブリックの方を先に見ていましたのでコチラの方が馴染みやすいです。冒頭の音楽、ベルリオーズの幻想交響曲もものものしいし、ダニーの幻想の血の洪水のインパクトは強烈ではじめて見た時の衝撃は今でも忘れません。ジャックを演じるニコルソンの怪演は言うまでも無く、妻のウェンディ役のシェリー・デュヴァルの腫れぼったい瞼、出目金のような眼で絶叫するシーンなんか、ほんと恐いっす。

今回はオリジナルの143分バージョンのビデオを見ました。よく出回っているコンチネンタルバージョンのDVDは画質は格段に良いのですが119分の短縮版です。残虐シーンがカットしてあるってネットで見ましたが何処がカットしてあるのか?よく分からなかったです。237号室の風呂場のグロ女の所はチェックしましたが、まったく同じ3分間両方ともありました。(オリジナルビデオはボカシ入り、コンチDVDは無修正でした)ただそのシーンのスタートがオリジナルビデオは1時間12分45秒、コンチDVDは57分17秒ですから、既にココまでで15分28秒カットしてある訳です。ですから、あながち残虐シーンがカットという訳ではありませんね。だってココまでは残虐描写なんかありませんでしたから。

143分アンカット・バージョンで作られたファンのトレイラー


2005年6月24日バージョン検証を追記
DVDプレイヤーとPCを並べて同時再生してチェックしました。
以下の列記は、オリジナル143分バージョンには有り、コンチネンタルバージョン(以下コンチ版)からはカットされているシーンです。最初から順を追って記載してあります。

①展望ホテルの支配人アルマンの部下ビルとジャックの挨拶~ジャックの面接での3人の会話シーン(ジャックは展望ホテルのデンバーのスタッフの推薦とか、何故ホテルが冬に閉鎖するかという理由を支配人が説明する)  1分38秒
②ダニーが血の洪水の幻想を見て倒れ女医が診察する(ダニーとの会話含む)~ウェンディと女医の別室での会話(ダニーの肩の脱臼理由含む) 5分31秒
③ホテルの歴史や大統領も泊まった事をジャック、ウェンディに説明するアルマン 29秒
④ジャックとウェンディが自分達の寝室に案内され「家庭的な雰囲気だ」と喜ぶシーンと迷路から出るには1時間かかるというアルマンの言葉。 43秒
⑤ゴールド・ボール・ルームへのアルマンの案内(ここは昨年改装済みと話をしボール・ルームには酒は保険が高くなるので一切置いていないと言う)~ハロランとの挨拶~外で遊んでいたダニーがスージー(アルマンの秘書)に連れてこられる~アルマンからハロランは台所を案内せよと指示をされるがカット。コンチ版はハロランの紹介も無しにいきなり台所を歩く3人(ハロラン、ダニー、ウェンディ)に繋がるので、この黒人のおっさん(ハロラン)は誰って感じになってしまいます。(▼▼メ)   2分37秒
⑥ハロランとダニーの会話を短縮し中間をカット。何か見たかとハロランが問い掛けた後をカット。ハロランが建物も超能力を持ち、このホテルも未来を見せるかもと言う。 37秒
⑦朝食を運ぶウェンディのロング・ショット 16秒
⑧朝食を運んだ後のウェンディとジャックの会話を短縮。
ウェンディ 「素敵な所だけど来た時は何だか薄気味悪かったわ
ジャック 「初めてきた時に昔来た事がある感じがした。おれのデジャブーは極端だった。どこに何があるのか分かる気がする。」  54秒
⑨ジャックのボール投げのフル・ショットをカット(ロング・ショットはコンチ版にも有り)~ホテルから出て迷路に行くダニーとウェンディ。ウェンディの「負けた方がお掃除よ」という台詞をカット。(ロング・ショット) 10秒
⑩食事を作るウェンディとTVニュースのシーン(殺人犯ラザフォードが脱獄、スーザンの捜索打ち切り、寒波が迫りコロラドも冬に入る)このニュースは天気以外まったく無関係な為カットに値しますね。^^ 35秒
⑪ジャックがルールを決めた後のタイプに向かうシーン数秒と木曜日のテロップをカット。 5秒
⑫居間でダニーとウェンディがTVを見ている時、ダニーが消防車をジャックが寝ている部屋に取りに行きたいと頼むシーン(白黒のTV画面のクローズ・ショットから入り、だんだんカメラを引きロング・ショットへ移行するシーン) 1分19秒
⑬ロイドとの会話を短縮し、中間をカットしている。
ジャック 「5ヶ月間の惨めな禁酒に乾杯」「女は困ったものだ、何とか始末するさ」 ロイド 「女が一緒だと暮らせないが、いないと又暮らせない」 ジャック 「おおっ、知恵者の言葉だ」と感心する。完全に憑り付かれてますなぁ。 1分16秒
⑭ジャックとウェンディの会話の中間をカットし強引に繋げて編集してある。ジャック 「あの子はよく空想するのだから、ここへ来る前もそうだった」がカットされ、コンチ版はいきなりウェンディが「あなた空想だなんて言ってる時じゃないわ」と発言するので完全に変だぁ。(☆o☆)  13秒
⑮ウェンディが部屋で一人歩き回り悩む。夫を置いてホテルを出ようと決意する。ダニーは隠れてしまいトニーの人格が出てきてレッドラムと叫ぶ。この叫びも不気味で重要なのに無いっす。 2分25秒
⑯ジャックが無線機を壊す所で、ICを3個取る。(コンチは1個だけ)~ハロランと無線局の会話~午前8時のテロップをカット 54秒
⑰ハロランの飛行機内でのスチュワーデスとの会話「何時にデンバーに着く?」「8時20分です」テロップをカットしたので入れる訳にはいかなかったのですね。~雪のデンバー飛行場に着陸する飛行機~ハロランが友達のラリーに電話して雪上車の手配を頼むシーン 2分35秒
⑱トニーになったままのダニーにウェンディが話をする。パパに話があるから、待ってて。5分で戻るからというシーン~こっそりバットを持って部屋を出るウェンディをカット。コンチ版は突然バットを持っているウェンディの後姿から始まるので大変奇妙な繋がりとなっています。(>_<) 1分48秒

⑱の後のラスト42分はカットは無しでエンディングまで行きます。①~⑱までのトータルのカットタイムは24分5秒なので、コンチネンタルバージョンの119分+24分=143分となり、オリジナル完全版の時間143分にほぼ一致します。
太字にした重要発言の伏線が無いのは、ストーリーに深みを出すのに役立つ為やはり残念です。また、ゴアシーンのカットはまったくありませんでした。よってネットで見た情報はガセと判明しました。これで長年の謎は解けましたので、満足です。

2010年3月23日追記
更に、この映画は、もう一つバージョンがあったのです。本公開に先立つプレミア上映では146分の映画として公開されましたが、現在は見ることが出来ません。これには逃げ延びたウェンディとダニーが病院でホテルの管理人アルマンと再会するエピソードがあるそうです。管理人はダニーに黄色のボールを投げ、そのボールはダニーがホテルの廊下で遊んでいる時に、どこからともなく転がってきたボールと同じだったというエピソードです(黄色のボールはこの2つのシーンでしか使われていません)。このラストはすぐに削除され、143分となったそうな。

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1980年 イギリス THE SHINING ★★★★
監督、製作:Stanley Kubrick
原作:Stephen King
脚本:Stanley Kubrick、Diane Johnson
音楽:Wendy Carlos、Rachel Elkind
出演:Jack Nicholson ... Jack Torrance
Shelley Duvall ... Wendy Torrance
Danny Lloyd ... Danny Torrance
Scatman Crothers ... Dick Hallorann、料理長ディック・ハロラン
Barry Nelson ... Stuart Ullman、支配人スチュアート・アルマン
Philip Stone ... Delbert Grady
Joe Turkel ... Lloyd the Bartender
Anne Jackson ... Doctor
Tony Burton ... Larry Durkin
Lia Beldam ... Young Woman in Bath、237号室の風呂から出る若い女の幽霊
Billie Gibson ... Old Woman in Bath、237号室の風呂から出る老婆の幽霊
Barry Dennen ... Bill Watson、アルマンの部下ビル
Vivian Kubrick ... Smoking Guest on Ballroom Couch (uncredited)