将軍の姪ローラの誕生日の舞踏会の夜、近くに越してきた伯爵夫人から将軍はマルシーアという美しい娘を預かる。ローラとマルシーアは意気投合して毎日楽しく暮らしていた。その内、ローラは灰色の大きい猫の悪夢を毎晩見るようになり、日に日に衰弱、そしてついに亡くなってしまった。実はマルシーアの正体は吸血族カルンシュタイン家の生き残りであり、レズビアンのミルカーラだったのだ。次にミルカーラはエマを標的にしてカルミーラと名前を変え、家に住み込んだ。・・・

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VAMPIRE LOVERS 1970 trailer
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ハマープロがAIPと合作して製作した第1作目。ハマー特有のゴシックムードを残したまま、イングリッド・ピット、マデリン・スミスが脱いで大きな胸を露わにレズシーンを演じます。この作品は1970年ですから胸出し、ちょっと抱き合うだけでショッキングだったのでしょうか?間違ってもエロは期待しては駄目。イングリッド演じる吸血鬼ミルカーラは「鮮血の処女狩り」とはイメージが違い気品高さもありますが、ごく自然な感じをかもし出し庶民的です。でも劇中で偽名を使って演じているので紛らわしくて、しょうがありませんでした。(初めはマルシーラ→カルミーラ→吸血鬼の本当の名前はミルカーラ)またイングリッドも友達という設定ですがマデリン、ビッパと比べると綺麗なんですが、いささか年を感じざるを得ませんねぇ。一番驚いたのが吸血シーンよりも、第一の犠牲者ローラ役のビッパの絶叫。よくもこんなに長く叫べるものです。感心しました。またラストのミルカーラの絵の変貌も面白いアイデア。まあ、ドリアン・グレイと同じとは言えますけど。本作の後、ハマーは新しく活路を見出すべくミルカーラ・カルンシュタイン3部作として「恐怖の吸血美女」(1971)、「ドラキュラ血のしたたり」(1971、邦題と米題はドラキュラですが看板に偽り有りです。内容は女性ヴァンパイアの話。)を世に送り出したのでした。

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1970年 イギリス THE VAMPIRE LOVERS ★★★
監督:Roy Ward Baker
原作:Sheridan Le Fanu (story "Carmilla") 「吸血鬼カーミラ」
脚本:Tudor Gates
音楽:Harry Robertson (as Harry Robinson)
出演:Ingrid Pitt ... Marcilla / Carmilla / Mircalla Karnstein
George Cole ... Roger Morton、エマの父
Kate O'Mara ... The Governess (Mme. Perrodot)、エマの家庭教師ぺロドー女史
Peter Cushing ... General von Spielsdorf 、ローラの叔父
Pippa Steel ... Laura (as Pippa Steele)
Ferdy Mayne ... Doctor
Douglas Wilmer ... Baron Joachim von Hartog、ハートグ男爵
Madeline Smith ... Emma Morton、ローラの友達
Dawn Addams ... The Countess、伯爵夫人、マルシーア、カルミーラを送り込む。
Jon Finch ... Carl Ebhardt、ローラの恋人
Kirsten Lindholm ... 1st Vampire (as Kirsten Betts)、ハートグ男爵が首斬り。