ジョナサン・ハーカーがロンドンの家を売るためにトランシルバニアのドラキュラ城を訪ねる。そしてドラキュラ本人が出迎え、先祖代々この土地を外敵から守ってきたドラキュラ家の歴史を聞かされる。夜もふけたので帰ろうとすると、無理矢理泊まっていけと勧められた。そして部屋に案内されたが鍵をかけられ閉じ込められてしまった。しょうがないのでベッドで眠ると奇妙な夢を見た。それは吸血鬼達が誰からジョナサンを食べるか相談している夢だった。あわてて飛び起きると首筋に2つの傷ができていた。怖くなり窓から脱出して城の内部を歩き回ると石の棺おけの中に、ドラキュラ、そして女が3人眠っていた。やばいと感じ窓から飛び降りたが気絶してしまった。ジョナサンが目覚めると、そこはヴァン・ヘルシング教授の精神病院だった。婚約者のミーナ、友達のルーシーがお見舞いに来てくれた。しかしドラキュラはすでにロンドン入りしており、ルーシーをターゲットに決めていた。・・・

doracula_jess_1.jpg

吸血のデアボリカ amazon
EL CONDE DRACULA trailer 1970
ブラム・ストーカーの原作をジェス・フランコ監督が映像化した作品です。ハマーとは映像タッチが違い、スピード感はありませんがゴシックムードはたっぷりです。直接的な吸血シーンは1箇所だけ、あとは光を屈折させて映像と混ぜ合わせ、吸血鬼の登場を演出しています。催眠状態の獲物の心理を表現しているようにも思えますね。お馴染みカメオ出演の監督自身は、ヴァンヘルシング教授の召使役で登場。この監督、召使役が好きですね。^^矛盾と言えばハーカーは、血を吸われているのに、ドラキュラの手下にならず、本人を殺してしまうのは変な感じです。ヘルシングもドラキュラを直接殺さず、命令するだけでした。ドラキュラ自身は原作のように髭を蓄えており老けた感じで登場し、ルーシーの血を吸うと若返り髪は真っ黒に変わります。本作はブラム・ストーカーの原作に沿ってはいますが、完璧ではありません。原作ではジョナサンはルーマニアの病院に入院していますが本作ではヘルシングの精神病院に入院しています。原作ではヘルシングは助っ人であり教授、医者じゃありません。精神病院はセワードのです。またセワードとクインシーは友達ではありません。ルーシーの婚約者は原作ではアーサー、本作ではクインシーになっていて、アーサーは出てきません。本作ではルーシーがジョナサンを見舞いに来ますが原作では来ずにドラキュラの餌食になります。そしてラストはまったく違います。本作では燃やされて終わりでしたが、原作ではジョナサンとクインシーの短剣で絶命します。それでも監督の言葉とおりハマーより遥かに、こちらの方が原作に忠実ですな。
オイラはCINEMA SUPPLYという日本のDVDを購入して見ましたが、画質は最悪でした。ブツブツがそのまま出ているし、マスターは多分ビデオで、リマスターせずに、そのままDVD化したのでしょう。音声は英語と日本語吹き替え、字幕はありませんでした。(吹き替えがあれば字幕はどうでもいいですけどね)このDVDの発売は古いので致し方ないかもしれません。

dracula_jess2.jpg

1970年 スペイン・イタリア・西ドイツ・イギリス EL CONDE DRACULA、IL CONTE DRACULA 、COUNT DRACULA  ★★☆
監督:Jesus Franco
原作:Bram Stoker (novel "Dracula")
脚本:Augusto Finocchi、Jesus Franco (as Jesús Franco)、Harry Alan Towers (as Peter Welbeck)
音楽:Bruno Nicolai
出演:Christopher Lee ... Count Dracula
Herbert Lom ... Prof. Abraham Van Helsing
Klaus Kinski ... R.M Renfield、精神病患者、家族旅行で吸血鬼にやられ精神障害になる。(ここも原作と違う。)
Soledad Miranda ... Lucy Westenra
Maria Rohm ... Mina Murray
Fred Williams ... Jonathan Harker
Paul Muller ... Dr. John Seward (as Paul Müller)
Jack Taylor ... Quincey Morris
Jesús Puente ... Minister of Interior
José Martínez Blanco ... Traveller / Dr. Seward (voice: Spanish version) (as J. Martinez Blanco)

vlad.jpg
ヴラド・ツェぺシュ3世の肖像画。
彼は15世紀ルーマニア南部のワラキアの英雄でありながら、喜んで敵数千人を串刺しの刑に処しました。ツェぺシュ(串刺し公)とドラクラ(悪魔)の二つのあだ名を持っていました。吸血鬼ドラキュラの小説を書く元ネタとなった実在の血に飢えた独裁者です。しかし、この映画のクリストファー・リーもこの人物に似せたと言われていますが、あまり似てはいませんねぇ。