昼のような明るさの夜8時、父親の墓参りに出かけたジョニーとバーブラ兄妹。お墓参りが終わると、雷の音が無気味に鳴り響く。すると男が一人遠くでポツポツ歩いており、ジョニーは「彼がお前を襲うぞぉ」とバーブラをからかっていた。すると本当に彼が妹を襲い、助けに入るジョニーだったが墓石で頭を打ち気絶してしまう。実はこの男は死人、ゾンビだったのだ。

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ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド amazon
Night of the Living Dead 1968 trailer
あわてて車で逃げるバーブラだったが、木に激突して、車が故障。やむなく近隣の家に逃げ込む。その家の2階で食い殺された死体を見つけ、驚いて出ようとすると黒人の若者ベンが逃げ込んで来た。その後ろにはゾンビの群れが迫り家に篭城する2人。この家には先客がおり地下にカップル1組、ハリーら親子3人が隠れていた。ベンとハリーは地下で隠れるか?上でゾンビ達と戦うか意見が分かれる。そしてゾンビの発生原因(金星探査衛星の爆発による放射能汚染)をTVで知ったので近くの避難所まで逃げようと合意。トラックに給油して脱出しようと試みるが失敗してしまう。トラックごとカップル2人は爆死してしまった。またハリーはベンが逃げて来ても扉をあけず、あわやゾンビの餌になる所だった。こうなっては、もう誰も信じれずベンとハリーは口論となり仲たがいし、ベンはハリーを撃ち殺してしまう。更にその子供がゾンビ化し、父親の肉を食い、母親もスコップで惨殺してしまう。(サイコ調な殺し方です)その後、ゾンビがバリケードを破り家になだれ込み、バーブラはゾンビ化した兄ジョニーに殺される。なんとか1人地下室で生き延びるベンだったのだが、翌朝ゾンビと間違われてゾンビ狩りの人間に射殺される。・・・幕

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ジョージAロメロ監督のゾンビ3部作の1作目です。
現在のゾンビの定義付けを確立した本作。NEW ZOMBIEの始祖です。
つまりゾンビをブードゥーの操り人形から解放して1級のモンスターに仕立て上げた作品。
また頭を撃たないと死なない、ゾンビに噛まれた者もゾンビと化すという概念も本作から始まりました。低予算映画であっても後のゾンビ作に続く人間のいやらしさ、人間の恐さ、身勝手さが遺憾なく投影されていて、モノクロ画像が恐さを助長しています。カニバルシーンこそ少ないものの、ジワジワと見る者の心をえぐるスリラーの恐さは天下一品。
ラストの無常感もなんとも言えない後味の悪さを残します。ゾンビ化した最愛の肉親に殺されるというプロットも含めて、人類の希望の無さは3部作の内でトップでしょう。

DVDには最終版コレクターズ・エディションなるものがありますが、これは、オリジナルフィルムをジョン・A.ルッソがいじくり勝手に、追加シーンを加えてある盤です。オリジナルの好きなファンの間では改悪盤との評価を受けている作品です。しかし最終版という表現はいただけませんねぇ。ディレクターズ・カットと間違えますよ。その後、NOTLDの最強BOX:ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド コレクターズBOXが登場しました。今までのレベルを遥かに超越した出来栄えです。

1968年 アメリカ NIGHT OF THE LIVING DEAD
監督、原案、脚本、撮影:George A. Romero
脚本:John A. Russo
出演:Duane Jones ... Ben
Judith O'Dea ... Barbra
Karl Hardman ... Harry Cooper
Marilyn Eastman ... Helen Cooper / Bug-eating zombie
Keith Wayne ... Tom
Judith Ridley ... Judy
Kyra Schon ... Karen Cooper
Charles Craig ... Newscaster / Zombie