三代将軍徳川家光の大奥を舞台に、大奥至上最も有名で、かつ最強の女帝“春日局”を中心に女たちの愛、嫉妬、裏切りなどによる女たちの愛憎劇が繰り広げられています。

大奥 第一章 amazon
前半4話は2代将軍徳川秀忠の長男・竹千代側(後の家光)のおふくと秀忠の正室・お江与の世継争いがヒートアップ。お江与役の高島礼子さん、凄い迫力です。ここまで憎たらしく長男に接する事が出来るんかぁ、、、と思ってしまいました。おふくは後に春日局となりますが、迫力ではお江与に軍配が上がりますね。弱いおふくが幼い竹千代を守る為、家康も利用しながら、策を練って対抗していきます。5話目からおふくは春日局となり大奥取締役となって権勢を奮い始めます。まず家光に世継を生ませるべく、側室探しに没頭して尼さんである慶光院を拉致して、お万と命名させちゃいます。この辺は前半のおふくとキャラがまったく違い、権力を手にした春日局の恐さが滲み出ている所でした。更にお万を使って女の楽しさを家光に教えた後、春日局がとった行動は、更に側室を集める事でした。お万は公家の出なんで、世継を生んで徳川幕府が朝廷や公家に脅かされる事を恐れて、子供が出来ない薬を味噌汁に仕込みます。そうして、お楽、お夏達を送り込み、世継を生ませます。お万は聡明で、優しい女性。大奥での寂しい日々を笛吹きの隼人に助けられ生きていきます。隼人はキリシタンで親、仲間をキリシタン弾圧で殺された恨みを胸に、家光の命を狙っていたのでした。また捕まった姉の行方も捜していたのでした。でもお万が慕っていた隼人も姉も死んでしまいます。幽閉された姉の姿は可哀想の極地。脱走して足が不自由になり、目もうつろ、狂人になってしまいました。これも春日局の仕業なんです。恐っ。でも、権力を振るう春日局にも最後の時が訪れます。彼女には家光が以前痘瘡にかかり死の淵をさまよった時、元敵のお江与の幽霊(笑)と約束がありました。家光の命を助けてくれたら薬も医者にもかからず天命に従うと。最後は春日局も、家光の乳母おふく、優しい一人の母の姿に戻るのです。彼女はお江与ができなかった家光の腕の中で息を引き取ることができたのは最後の幸せでした。そして、春日局の後はお万が大奥を引き継ぎ、お万も妊娠・出産します。お万は世継ぎ争いの難を逃れようと、また朝廷を黙らせるため自分の子という事を隠します。そしてお玉をその子の母とさせるのでした。この子が後の五代将軍・徳川綱吉で、お玉はその母・桂昌院となるっていうラスト。これは大奥側室だけの秘密でした。春日局が死ぬ前に、お玉に言いかけて言わなかった話ってこの事だったんでしょうね。勝気で何でも言い放題のお玉には、こんな役が与えられていたんです。途中何故お玉が大奥を叩き出されないか?疑問でしたが、面白いラストでした。また家光の正室の孝子の人生は可哀相でした。お飾り物で公家の牽制役として、大奥に幽閉されているんですから。そのやるせなさを演じる木村多江さんに、なんか惚れ惚れしちゃいましたね。綺麗なお万(瀬戸朝香)より、悲しみの美女って感じで、グッときちゃいましたよ。木村多江さんの顔やしゃべり方が公家役にぴったりなんで、余計そう思ったんでしょう。

ooku01.jpg

この予告編は中国のTV。当然北京語の吹替版です。


ooku02.jpg

2004年10月7日から12月16日まで放送 フジテレビ ★★★★
脚本:浅野妙子
主題歌:「愛と欲望の日々」 サザンオールスターズ
出演:松下由樹(おふく=春日局)
高島礼子(お江与)
瀬戸朝香(お万)
星野真里(お玉)
木村多江(孝子)
京野ことみ(お楽)
野波麻帆(お夏)
西島秀俊(徳川家光)
渡辺いっけい(徳川秀忠)
梶芽衣子(朝比奈)
藤田まこと(徳川家康)
金子昇(笛吹きの隼人・・・イケメン)
遠山景織子(隼人のキリシタンの姉・おゆき)