ローマの教会を破門された司祭ドミニクは死の間際にNYにいる弟子のアレックスに「すまない」と一言残し自殺する。その報を聞いたアレックスとトーマス、アレックスのエクソシズムの患者マーラは急遽ローマへ向かう。彼等の教派は悪魔の研究・滅ぼし方をイエズス会より詳しく調べた為教会内では、はみ出し者だった。

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よって破門されたドミニクの亡骸も教会の墓地に埋葬は出来ないと言われてしまう。頭に来たアレックスは反旗をひるがえし深夜こっそりと埋葬してしまった。そんな時彼の前に「罪を喰う男」イーデンが現れる。彼の仕事は罪人が死の間際に来た時、現れ今までの人生の罪を秘術で取り出し彼がその罪を喰う、背負い込むという物だ。罪を喰われた者は罪がゼロとなり安らかに天国へ行けるのだった。そして彼はアレックスに言う。「神は人間にあまりに無関心だ。罪人でも誰でも救う事が出来る自分こそが神なのだ」と。更に「イエスだって十字架に貼り付けられた隣の泥棒を許したではないか」「悪人を許してはいけないのか」と。そして最後に「俺たちは教会のはみ出し者、似た物同士、俺の後継者になってくれないか」と言いはじめた。・・・



オカルト色は全篇に漂っていますがホラー度は少なし。恐くありません。でも、これは大変宗教的な題材で面白い映画です。神とは、悪とは何かを考えさせます。悪魔の直接的イメージ(罪無き者を拷問する)を描写するのではなくて、罪人の罪をゼロにし解放する事により、生前に罪を犯してもかまわないぞ、死んでも地獄行きは無いのだという様に悪を間接的に肯定する「THE SIN EATER」の説教がポイント。しかしコイツの言動は、仏教徒であるオイラには到底信じがたいですね。コイツは悪魔というより死神と捉えた方がしっくりきますね。そう「ストーム・オブ・ザ・センチュリー」と似ているなぁと感じました。映像的にはCGのコマ送りが速過ぎで何が出てきているのかが、はっきり解からなくて残念でした。ですからCGと実写の溶け込みがまったく無く、CGが完全に浮いてしまっています。もっとキチッと作って欲しかったです。その反面、音楽は気に入りましたよ。アラビアン・ミュージック+ユーロ・ビート+ゴスペルをミックスしたようなデビッド・トーンの音楽。サントラが欲しくなりましたね。キャッチ・コピーは「人に罪のある限り、それを喰らう者あり。」

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2003年 アメリカ・ドイツ THE ORDER、THE SIN EATER
監督、脚本:Brian Helgeland
音楽:David Torn
出演:Heath Ledger ... Alex Bernier
Shannyn Sossamon ... Mara Sinclair
Benno Fürmann ... William Eden
Mark Addy ... Thomas Garrett
Peter Weller ... Driscoll
Francesco Carnelutti ... Dominic
Mattia Sbragia ... Apathetic Bishop
Mirko Casaburo ... Little Boy
Giulia Lombardi ... Little Girl
Richard Bremmer ... Bookstore Owner
Cristina Maccà ... Sister Franca
Paola Emilia Villa ... Sister Marie